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そっくりさんシナリオの王道、とでも言えばいいんだろうか。奇をてらったようなことは何もありません。
転・結の結び方も、最近のゲームと比べればかなりあっさりしてるので、ボリューム感に不満を持つ人も多い気がする。
決して嫌いなシナリオではないんだけど、素材の生かし方で言えば、ちょっとへたっぴかな、とも思った。
「砂糖菓子」以来の桜庭。偶然にも、同じような背景を持つ2冊を読んだことになったみたい。話の中身に細かい差はたくさんあるけど。
桜庭一樹の描く人物というのは、きわめて危ういバランスを持ってるように思える。こういう比較は卑怯なのかもしれないけど、狗飼恭子や森絵都と比べると、両者の中間で、気味悪がられるギリギリの線にいるような気がする。
狗飼恭子はどこまでもむき出しのリアルなのに対して、桜庭は設定やセリフのちょっとした機微でそれをファンタジーにしてしまう。
森絵都は純文学(というか、いわゆる「文学小説」? 説明が難しいけど)なのに対して、桜庭はほんの半歩ラノベに踏み込んでいるような感じがする。
この本と乙一の「GOTH」との比較は、まじめにやっても非常に面白いな。桜庭の方が手が込んでるけど、その分だけ鋭さは少ない気がする。ラストなんか、そう思う。
なんというか、内容そのものよりも、そういう周りの関係とかをいろいろと考えさせられる本だった。
プロットだけ見れば、入院少女シナリオそのもの。全く小細工なし。強いて言えば、カメラネタだけか。
でも逆にストレートという見方も出来るわけで、僕はこのシナリオは結構好きです。絵を描くということの意義とも絡めて、うまく仕上げていると思います。