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なんというか、「あー面白かったーっ」というよりは、「ああ、これは面白い作品だな」と思いました。
ある種わかりにくい本であるのも確かですが。
ある何日間か、仙台駅の周囲に住む人々の何気ないストーリーを描いたもので、そのストーリー自体は別段凝ったものではありません。
ただ、その一人一人のストーリーの絡み方がうまいなぁと。
絡み方といいましたが、本の中で直接登場人物が絡み合うことはほとんどないんです。けれど、確かに絡み合っていて、それは題名とも密接に関係がある。
そこら辺のアイディアと構成のうまさには感心しました。
文章は重松清なんかと比べると、テンポ感が悪いかな、と思う部分はありましたが、読むのがしんどいわけではないので及第点には十分に達していると思います。
秋山さんの代表作は「イリヤの空、UFOの夏」ですが、このシリーズと笹本さんの「妖精作戦シリーズ」には類似点が多いなぁと思ったわけです。
突然やってくる美少女(イリヤとノブ)であるとか、やかまし系の女友達キャラ(秋穂とつばさ)とか、悪がきがそのまま大人になったようなキャラ(榎本と平沢)など、キャラの類似もあるし(『イリヤ』での水前寺に対応するのは、『妖精』では沖田、真田等複数ですが)。
また、文化祭の気合の入りようとか、ラストの感じなんかも微妙に似ています。
『イリヤ』が主に地の文で引っ張っていくのに対し、『妖精』はとにかく会話文のテンポが最高にいい、などの違いはあるものの、秋山さんはきっと笹本さんのことも好きなんだろうなぁと思うようなオマージュがあちこちにあって、そういうところも好きだったりします。
要するに読めと仰りますか。仰るんですね。
読んで損はないと思うけど、イリヤみたいなドラマ性を期待して読んではいけない。<br>基本的にはドタバタだから。<br>でも、恐ろしくテンポのいい会話に引き込まれることでしょう。